VVFケーブルについて

VVFケーブルの完全ガイド：特徴、用途、および安全な使用方法

VVFケーブルとは何か？

VVFケーブルは、”Vinyl insulated Vinyl sheathed Flat-type cable”の略で、「600Vビニル絶縁ビニルシースケーブル平形」として知られています。このケーブルは、ビニル被覆の外側をビニルシースで覆った単純な構造を持っています。

VVFケーブルの主な用途

VVFケーブルは、低圧屋内配線に広く使用されています。15A程度までの照明やコンセント回路への電源供給に適しており、空調機や換気ファンなどの機械設備への電源供給にも利用されます。建物内でキロメートル単位で敷設されることもあり、非常に高い需要があります。

VVFケーブルの種類

VVFケーブルには、2心、3心、4心の3種類があります。用途に応じて心数を選び、配線工事を行います。特に、3心のVVFケーブルは、単相2線式の回路で1線を接地線として使用することが可能です。

接地線用VVFケーブル

接地線用には、シースに緑色のラインが入ったVVFケーブルが推奨されます。これにより接続間違いのリスクを軽減できます。電線メーカーはこの需要を理解しており、接地用の緑色を含む電線を提供しています。

VVFケーブルのサイズ

VVFケーブルは、1.6mm、2.0mm、2.6mmのサイズがあります。1.6mmと2.0mmは一般的に広く使用されていますが、電圧降下を考慮して2.6mmを使用する場合もあります。

VVRケーブルとの比較

VVRケーブルは、”Vinyl insulated Vinyl sheathed Round-type cable”の略で、「600Vビニル絶縁ビニルシースケーブル丸形」として知られています。VVFケーブルと構造は似ていますが、VVRは丸型形状です。VVRケーブルは、より大きな径の製品もあり、CVケーブルの普及により、現在は主に幹線ケーブルとしては使用されていません。

VVFケーブルの色分け

VVFケーブルは、グレー、赤、青、黄色など様々な色があります。保安電源を持つ施設では、一般回路にはグレー、保安・非常回路には黄色や赤を使用することで、電源種別の判別が容易になります。

VVFケーブルの接続と敷設方法

VVFケーブルの接続には、リングスリーブを使用した圧着接続が一般的ですが、最近では施工性を向上させるために差し込みコネクタも使用されています。ただし、リングスリーブによる圧着は取り外しができないため、接続部に不備がある場合は切断する必要があります。

放熱を阻害する束ね過ぎの禁止

VVFケーブルは、5～7本程度に束ねることで放熱を妨げずに使用できます。しかし、8～10本以上を束ねると、大きな電流を流す際に不安が残ります。特に、分電盤の上部などで多数のケーブルが集中する箇所では注意が必要です。

VVFケーブルの寿命と使用場所の規制

VVFケーブルは、屋内で適切に使用すれば20年から30年の寿命が期待できます。しかし、屋外での使用や許容電流を超過する使用は、寿命を著しく短縮させます。VVFケーブルは屋内専用であり、屋外での使用は避けるべきです。

断熱材との接触回避

VVFケーブルは、断熱材と接触させないように敷設することが重要です。特に、発泡ポリウレタンとの接触は、ケーブルの絶縁性能の低下を引き起こす可能性があります。

このガイドは、VVFケーブルの特徴、用途、安全な使用方法についての包括的な情報を提供します。適切な知識を持ってVVFケーブルを使用することで、安全かつ効率的な電気配線が可能になります。